日々の暮らしの中で、片付けの場面になると、いる、いらないの判断にせまられます。その時、“もったいないから”いる。と判断することは多いと思います。
私は、実家を出るまで、小さい頃の絵本やおもちゃから、学年ごとの教科書やプリント、手紙、授業中に友だちと交換したメモまでとっているようなタイプでした。もったいないから、とっておく。ただそれだけの理由です。そして、引っ越し先もたくさんの荷物と暮らすための部屋を借りました。その次に引っ越すことになった時に、家賃の価格を変えずに利便性を求めたので部屋の数は減りました。その時、持っている物を見直す時期が来て随分処分しました。
思い返してみると、ランドセルもその中に入っていましたが、手放して今日まで、とっておけばよかったと思うことはありませんでした。けれど、6年間大切にとてもきれいに使った自信はしっかりと残っていますし、数々の物を手離して得た今の利便性のいい暮らしをとても気に入っています。もし、あのままでいたら、“もったいない”にかくれた“もっともったいないこと”に気づくことができなかったと思います。
片づける際、いつ、何に使うかすぐ答えられるのならばそれは必要なものです。その自問自答を、日常の中でちょこちょこ繰り返していれば、あわてずゆっくりでも、おのずと好きなものだけに囲まれた、すっきりとした暮らしに自然と近づいていけると思っています。
1級家事セラピスト 山田 江美(イエノコト株式会社)