残暑お見舞い申し上げます
お盆を迎える8月は故郷へ帰省される方も多いのではないでしょうか。久々の故郷での楽しみは大切な家族や友人の笑顔とおふくろの味。
私の夏の味、干し鱈の甘炊きやおそうめんの出汁は実家の母から、壱岐特産の胡麻を煎って作った風味豊かな胡麻醤油や自家製ところてんは嫁ぎ先の義母から教わりました。この春結婚した娘が近くに越してきて、私が親から教わったことをまた次の世代に引き継ぐ機会ができたと喜んでいます。同時に娘は嫁ぎ先の味も教わることでしょう。我が家のおふくろの味はそうやってできあがっていくものなのですね。
嫁ぎ先でのお盆の風景は5人の兄弟の夫婦と子どもが大集合の賑やかなイメージ。義母は一日中台所に立っては大量の美味しいご飯を作り、嫁の私は一日中お茶碗を洗っていたように思います。それでも子ども達は年の近い従妹同士で遊ぶのを楽しみにしていました。そのおかげで成人した今でも大の仲良しです。
まだめんつゆなどという市販品が出回っていなかった頃、ペットボトルにマジックで“そうめんのスメ”と書いて赤いリボンを巻いている義母の姿が思い出されます。一日に数回、誰かが麦茶と間違えて飲んでは悲鳴をあげていたのは今でも微笑ましく懐かしい思い出です。
両親が亡くなって兄弟が実家に集まる機会がずいぶん減ってしまいました。社会でも年々深刻になる実家の空家問題。家は人が住まないと傷みが早いしご近所に迷惑をかけるかもしれません。家の問題は家族の問題です。実家に人の集まることの多いお盆におうちのこれからの話がきちんとできるといいですね。
立秋を過ぎて暦の上では秋とはいえ日中の暑さはまだまだ厳しいです。清少納言の平安時代から「夏は夜」といいます。日が落ちて過ごしやすい夜、涼を求めて夜空を見上げてみませんか?8月は惑星観察や流れ星、天の川などが楽しめますよ。
1級家事セラピスト 木下理恵子 (イエノコト株式会社)