リクエストをいただきました。
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Q:いつも、自分らしさをもちたいと思いながらも、
まわりのひとと比べてしまって、自分のことをなかなか好きになれません。
自分を好きになるためにはどうしたらいいでしょう?
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こころの世界はとても自由で、好きも嫌いも、
嬉しいも悲しいも、喜びも怒りも、さまざまな感情が混在して、
瞬間瞬間それを感じています。
わたしはいつも、こうお伝えしています。
感情に○×をつけないでください。
好きなものは好き、イヤなものはイヤ。
それが、ただ「感じる」ということです。
感情にはいいも悪いもなく、固定したものでもなく、
波のように自然に変化するものです。
自分を好きにならなきゃ!と、
がんばって好きになろうとするのは思考の働きです。
心は3才児のように、理屈は通用しません。
そして、「こうしなければ!」は、心を波立たせ、反乱を起こします。
自分の中で起きる内戦は、心を消耗させてしまいます。
まずは、「今は自分のことを好きになれないんだなぁー」と、
その感情を無理に変えようとせずに、一旦受け止めてみましょう。
受け止められることで、心は穏やかさを取り戻します。
あなたが何を好きで、何をイヤだと思うのか、
何に近づきたくて、何から遠ざかりたいか、
それはほかの人とは少しずつ違うでしょう。
それこそが、ほかの誰でもないあなたの感情です。
感情は、あなたが大切にしているものを教えてくれる、優れたセンサーです。
自分の感情を大切にすることは、
自分の価値観を大切にすることにつながります。
振り返ると、心理学を学ぶ前のわたしが一番苦しかったのは、
好き嫌いを通り越して、自分に○×をつけていたからでした。
笑顔のわたしは○で、泣き虫なわたしは×。
元気なわたしは○で、疲れているわたしは×。
優しいわたしは○で、意地悪なわたしは×。
がんばっているわたしは○で、だらしないわたしは×。
そうして、人前ではいつも笑顔で元気でやさしい自分でいようと頑張りすぎてしまいました。
泣き虫で意地悪で、すぐ疲れるだらしないわたしには価値がない!
とどこかで自分を責めていたのです。
いったいいつから、そんなにも厳しく、自分に×をつけてしまったのでしょう?
生まれてから片時も離れたことのない、誰よりも付き合いの長い自分のことを、
どうしてそんなに嫌ってしまったのでしょうか?
正しさにこだわってしまう判断の下には、深く傷ついた経験があります。
そしてもう二度と傷つくことのないように、自分の感情をコントロールしてきました。
でもそれらもすべて、まぎれもないわたしの姿です。
わたしは一つずつ、自分に許可を出していきました。
泣いてもいいんだよ。
疲れてたら休んでいいんだよ。
たまには意地悪になることだってあるよ。
ゆるむことも大切だよ。
それが、自然な人間の姿なんだよと。
そうは言っても無理だもん!と感じる自分さえも受け止めていく。
この感情を受け止めていくプロセスを、わたしはとても大切にしています。
それには、信頼できる人の力もたくさん借りました。
人は機会さえあれば、誰かの役に立ちたいと思っています。
そんな周りの人たちの優しさを、あなたを見守る目を、もっと信頼してみませんか?
大切な人に接するように自分に接し、自分の中の悪者探しをやめると、
押さえつけられていたキライな自分が大暴れすることはなくなりました。
そして、自分をごまかさずに自分自身と対話できた分だけ、人との距離が近くなりました。
わたしはただただ、どんな自分もまるごと受け入れてほしかったんだなぁと思います。
誰にも見せなかったこの悲しみを、本当は疲れていることを、
余裕がなくて意地悪になってしまうことを、つらくても頑張っていることを、
誰よりも、自分自身に理解してほしかったのだと気づきました。
あなたは、何を大切に生きていきたいのでしょうか?
わたしも、何度も何度も自分自身に問いかけました。
そして、自分がほんとうの笑顔でいることが周りの人に与える影響の大きさに気づいた時、
わたしの中で何かが変わりました。
人前で泣くことを禁止する代わりに、どんなに泣いてもほんとうの笑顔に向かっていく人生を
自分で選んでいくことに意識をシフトしていきました。
どうすればいいか?よりも、どうありたいか?
唯一の正解はなく、あなたが納得する答えはあなたの中にあります。
自分のほんとうの望みに気づくことは、自分らしく生きるための第一歩です。
「キライ」が教えてくれる「好き」もあり、
「悲しみ」が教えてくれる「喜び」もあるのです。
どうか、あなたの感情=価値観を大切に、自分自身に問いかけてみてください。
あなたは、何を大切に生きていきたいですか?