専門家コラム

第10回/シンプルに生きる

心理セラピスト・パーソナルコーチ

鐘ヶ江 ゆき

KANEGAE YUKI

第10回/シンプルに生きる

2014/08/15

唐突ですが、「あなたにとって、人生とは?」と問われたら、何と答えますか?
唯一の正解などなく、ふと浮かんだその言葉に、あなたが大切にしているものが表れると思います。
ちなみに、かつての私にとって、「人生とは、ままならぬもの」でした。ずいぶんと苦悩していましたねぇ…(笑)。

でも、今の私にとって、「人生とは、美しい瞬間を味わう機会にあふれている」と感じています。
どうして変わったのか?

たくさんの人との出逢い、様々な学び、気づき、時にショックを受け、ぺしゃんこにもなり、それでも自分に問い続けたのは、「私はどう生きたいか?」でした。

「人生は むつかしく解釈するから わからなくなる。」
とは、武者小路実篤の言葉。

私たちは、もっともっと、シンプルに生きていいのではないでしょうか。
私も長い間、こう感じていました。

「私の人生は、過去にあんなことも、こんなこともあった。
だから、私は今の価値観を持っている。それは変えられないものだ。」と。
そうとうな覚悟というか、頑なな決意です。

たしかに、自分にとって強烈なインパクトの出来事がきっかけとなり、
「人生とは、ままならぬもの」という価値観が育ちました。
「自分には自分の人生を変える力がない」
という思い込みに支配されたまま生きると、
信じている通りのことを体験します。

そして、「ほおら、やっぱりね。」と
その思い込みを強化していってしまうのです。

こうしたココロのしくみを知ってから、
あれこれと本当にいろんなことをやってみました。

何が一番効果があったのか?みなさんにお伝えできるように、
様々なメソッドも試しました。

でも結局のところ、わたしは
「人生を変えられない自分」を生き続けることには、
心底飽きてしまったのです。

自分の一生をかけて、こんなことをしに来たんじゃないよね?
もっと喜びを味わうために、もっと可能性を体験するために、
生まれてきたんだよね?と。

自分が信じている価値観は、
誰かに押しつけられたものではなく、
自分で選べるということ。

そして、自分で選んだ価値観に沿ったことを、
自分の人生で体験するのだということが腑に落ちてからは、
シンプルに、自分が望む方向に自分の力を向けていきました。

この「選択の力」の偉大さを実感するために、
私はこんなにも長く時間をかけてきたのかもしれません。

シンプルさに向かう秘訣を、一つだけお伝えしますね。
「本当はこうしたいんだけど、でも…」の「でも」禁止!!
「私は本当はこうしたい!」と言い切ってしまう。


それでもなお、「でも…」が手放せない場合って、ありますよね。
今の時点では、でも…の後に続くことのほうが、あなたにとって重要なんです。
それがいい、悪いではなく、今の自分が大切にしていることを認めてあげてください。
それにはちゃんと、理由があるはずです。

私が「ままならぬ人生」をずっと抱えてきたのは、
その下に命をかけて大切にしたかったものがあったからです。
その大切にしたかったものに気づいた時、
あぁ。もう「ままならぬ人生」を終わらせてもいいやと、心から解放されました。

シンプルに、あなたが本当に大切にしたいものを、大切にして生きていけるように…
ヒントになれば、嬉しいです。

鐘ヶ江 ゆき プロフィール

ハードワークによる燃え尽きと失恋をきっかけに、2009年より本格的に心理学を学び始める。豊かな感受性と共感力を活かしたセラピーには定評があり、約2年間で900件以上のカウンセリング実績を持つ。人と接するときのこだわりは、「どんな時も、その人の真の光を見出す味方であり続けること。」自分の”まんなか”をフルに生きたいあなたを、過去の感情を解放する心理療法と、人が本来持っている力を引き出すコーチング技術を用いて、癒しと成長の両面からサポートします。