専門家コラム

第3回/怖れを手放して、新しいことをはじめるには?

心理セラピスト・パーソナルコーチ

鐘ヶ江 ゆき

KANEGAE YUKI

第3回/怖れを手放して、新しいことをはじめるには?

2014/01/15

リクエストをいただきました。

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Q:新年とともに、必要ないものを手放し
新しい事にチャレンジしたいと思っていますが、
失敗やリスクを怖れてなかなか先に進むことが出来ません。
明るい、成功のイメージを思い描くコツはありますか?
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「新年の抱負は?」と問われ、新たな決意を語る場面も多い季節ですね。

今年こそ!と奮い立ったのに、3日坊主で終わってしまったり、そんな自分は意志が弱いと責めてしまったり…。そんな経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?

人は、意志の力だけでは目標を達成することはできません。
今回は、リクエストいただいた「怖れとのつきあい方」を中心に、目標設定のポイントをお伝えしていきますね。

ご相談内容にはさらっと書かれていますが、実践するにはこのステップが必要です。

①今の自分には必要ないものを手放す
      ↓
②新しいことにチャレンジする


何かをぎゅっと握りしめたままの状態では、新しいものが目の前に来ても、掴むことができません。
わたしの心理学の師匠は、よくこう言っていました。

「古い冷蔵庫を手放さなけば、新しい冷蔵庫は入らない。」

今の自分にふさわしいものを受け入れる準備として、スペースを空けることは必要なのですが、心は急激な変化を嫌うので、慣れ親しんだものを手放すことに怖れを感じます。怖れとは、変化の前触れとして自然に訪れるサインです。

毎日使ってきた冷蔵庫はすっかりなじんだ光景で、改めて考えると寿命をすぎていたり、今のライフスタイルに合わなくなっていることもあるのですが、わざわざ変えるのもめんどくさいしねぇ…いったいいくらかかるのかしら…?と、及び腰になりますよね。

失敗やリスクを怖れて前に進めない心理とは、「チャレンジして傷つくくらいなら、少々不満があっても今のままでいい」と、現状を選択している状態です。

じゃ、どうしたらいいのでしょう???

怖れが強い方に、わたしが最初にお伝えすること。
怖れは、あなたの「変わりたい」のサインですよ!
このままでいいやと思っている人は、怖れを感じません。
だから、チャレンジしたい、成長したい自分を誇りに思ってくださいね。

怖れちゃダメ!怖れをなくそう!と戦う必要はありません。
まずは、わたし怖いんだなーそれは進みたいからなんだなーと、今の心の状態をそのまま認めてあげてください。

そのうえで、もう一度チャレンジしたい事を見直してみましょう。

わたしは、本当にこれがやりたいのかな?
どうしてこれが欲しいんだろう?
なんのために、やりたいんだろう?


何度も何度も、自分に尋ねてみてください。
どんな答えが出てきたでしょう?
紙に書き出したり、誰かとシェアする時間をとるのもいいですね。

変化に怖れはつきものなのですが、怖れが強すぎる場合は、不安や欠乏感から目標を立てている可能性も考えられます。
「足りない自分を埋めること」が動機になると、チャレンジ自体が苦しい修行になりますし、達成しても幸せを感じられません。

心から欲しいものであれば、すでに手にしていたり、もうそこに向かっているということが往々にしてあります。
もっともっと!と外側に求めていたけれど、実は自分の中にすでにある種を育む時期だったんだと気づくかもしれません。

とにかく新しいことを!とやみくもに行動する前に、どんなことに幸せを感じられるかをじっくりご自身と対話する時間をとられるといいかもしれませんね。
強すぎる怖れから、今の自分にOKを出せた時に、さらなる幸せの成長は自然と始まりますよ。

あなた自身が、あなたのチャレンジの一番の味方になれますように。

鐘ヶ江 ゆき プロフィール

ハードワークによる燃え尽きと失恋をきっかけに、2009年より本格的に心理学を学び始める。豊かな感受性と共感力を活かしたセラピーには定評があり、約2年間で900件以上のカウンセリング実績を持つ。人と接するときのこだわりは、「どんな時も、その人の真の光を見出す味方であり続けること。」自分の”まんなか”をフルに生きたいあなたを、過去の感情を解放する心理療法と、人が本来持っている力を引き出すコーチング技術を用いて、癒しと成長の両面からサポートします。