残暑お見舞い申し上げます。
立秋を過ぎて朝晩少しだけ過ごしやすくなりましたが、陽が沈むのも日いちにちと早くなるのがちょっとだけさみしく思います。
お盆休みで、行楽地やご実家で過ごされている方も多いのではないでしょうか。我が家も数年前までは、お盆とお正月は主人の実家に兄弟家族が大集合するのが恒例の行事となっていました。子どもたちはたくさんの大人に見守られ、年の近い従妹たちと濃密な数日間を過ごしたことが楽しい記憶となっていて、今でも深い絆でつながっているようです。
そんな子ども達も成人し、今では家庭をもって母になり、自分のご主人の実家の台所を回す立場になった姪っ子までいて頼もしい限りです。先日、お盆の料理のことで相談を受けたのですが、自分の好きなようにやっていいと言われても何をどうやっていいかわからない!とのこと。思い出したのは子どもの頃に田舎で食べたおばあちゃんの味だったそうでレシピを教えてほしいということでした。実は義母が元気なうちにレシピは教わっていたのですが、おんなじ味が再現できなくて家族からお墨付きをもらえないのが現実です。記憶の中の味には“思い出”という素敵な調味料がプラスされるのでしょうね。
それでもなんとかやっていけるのは、おばあちゃんといっしょに台所に立って、手伝いをしてきた経験が自信につながっているから。完璧に真似る事はできないけど、現代の暮らしに合わせて自分流をプラスして工夫していけばいい。数年も経てばそれが我が家流になり、今度は自分の子どもに引き継いでいく。そうやってバトンタッチされてきたものを私もしっかり娘に引き継いでいく責任があるとこの時期になると改めて考えさせられます。
まだまだ暑さは続きそうですね。どうぞご自愛くださいませ。
1級家事セラピスト 木下 理恵子 (イエノコト株式会社)